中国人の観光客をよく見かけます
大陸資本も大挙して香港に入って企業買収をしたり、不動産に投資したりしましたが、それ以上に中国の大都市が香港の影響を受け、町づくりからホテルや銀行やレストランの作り方に至るまで、香港の再現かと思われるほど大きく変化しました。
出来ることなら海の外へ出たがりませんが、そんなことばかり言ってもおられなくなりました。
日本で採算に乗らなくなってしまったメーカーでも、日本より低賃金の安い地域で作れば、日本とグレードの変わらない商品が日本の半額、あるいはそれ以下の値段で出来て日本人のように、もの作りにこだわる国民は、そう簡単にもの作りを断念しませんから、日本国内で出来なくなれば、仕事をやめる代わりに仕事について外国へ行かざるを得なくなります。
といっても賃金の高い日本人をそっくりそのまま連れて行ったのではコストダウンになりませんから、日本人はマネジメントに従事する経営者と技術を担当する技術者と合わせて、ホンの一握りが現地に乗り込むだけです。
あとは資金と技術の活躍する舞台ということになります。
グローバル化時代は外国に出稼ぎに行くよりほかないといっても、現実にそれが可能になるのは指折り数えられる程度の人数で、あとに残された人は就職を続けるか、失業のどちらかを選ぶことになってしまいます。
また外国に進出するといっても、進出できる企業とそうでない企業がありますから、海外に引っ越しも出来ず、国内でも仕事を失ってしまう企業は倒産するか、倒産する前に店じまいをするかということになってしまいます。
産業界の構造が大きく変わるときは、企業の淘汰が起こるだけでなく、生き残った企業も古いマネジメントでは通用しなくなってしまいますから、選手交替ということになってしまいます。
要するに上から下まで、右から左まで国全体が仕事も人も入れ替わりの時期に来ているということです。
ならば、グローバル化もやめて、過剰生産も禁止してしまえばいいじゃないかという議論も当然出てきます。
保護主義者は日本にもいるし、アメリカにもおります。
でも人間もものも自由に行き来できるようになった今日、再び国境に「ベルリンの壁」を築くことが果たして出来るのか、また自動車会社からビール会社まで、国が主導権を握って生産制限が出来るのかということになると、地球そのものがひとつの世界になるのを押し止めることはとても出来そうにないでしょうし、ましてFは一年に何百万台しか自動車を作ってはいけません、Tはどことどこの国に車を売ってはいけませんということになったら、自由競争は否定されてしまうし、消費者も選択の自由を失うことになってしまいます。
そんなわけにはいかないということになれば、少なくとも新しいルールが出来あがるまでは、グローバル化と長期化するデフレの中で生き残る道をさぐる以外に方法はありそうにもありません。
生産基地としての好条件を失ってしまった日本で、これまでと同じことは続けていけなくなります。
生産基地の主たる引っ越し先の第一候補が中国であり、すでに世界中の企業が中国に詰めかけており、2002年の外国からの投資だけで500億ドルに達する見込みです。
この勢いは少なくとも2008年のオリンピック開催までは、このまま続くと考えてよいでしょう。
2002年10月10日ちょうどこの時期は日本の産業界が大きく変わる時期でもありますから、中国がどうなるかに無関心でおられるわけがありません。
というわけで、日本で何千社という企業の顧問をして、産業界の変化にもっとも敏感な立場におられるF幸雄先生と「なぜいま中国か」について語り合うことになりました。
皆さんの情勢判断のお役に立てば、と願っています。
私は台湾の台南市というところで生まれたので、子供のころから少なくとも2つの言葉を毎日しゃべってきました。
台湾語と日本語です。
台湾の言葉は中国語の中でも福建語に属していて、北京語とはお互いにまったく通じません。
台湾で私が通っていた小学校は公学校ではなく、現地へ来ている日本人の子供のための学校でしたから、学校では日本語でしゃべり、帰って家では台湾の言葉をしゃべりました。
戦争中は台湾では、大人にまで日本語を強制しましたが、戦争が終わったら今度は日本語はしゃべらせない、ということになりました。
大陸から来た連中が、北京語を強制していました。
複数の言葉を知っているということは、それぞれの国の風俗習慣から歴史、あるいは国民性まで認識するひとつのきっかけになります。
自分の国の言葉はいちばんよく知ると、自分の国のこともいちばんよく知っていると思いがちですが、必ずしもそうではありませから香港へ逃げ出しました。
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